紹介
調査研究あるいは実習中の「事故」をどう防げばよいのか? 「犯罪」「紛争」や「災害」に遭遇したときにどうすればよいか? 悲惨な事故や事件から調査者を守るために必要な知識と考え方を、自然科学から人文社会科学まであらゆる分野で検討する。
目次
イントロダクション(澤柿教伸・椎野若菜)
PartⅠ 安心・安全を支える
1.大学におけるフィールドワークの安全管理―調査中の事故から考える(茅根 創)
2.大学院生のための「海外フィールドワークの安心安全」支援(野中健一・栗田和明・丸山浩明)
3.学生の海外調査の安全をどう確保するか―農学分野の在村フィールドワークの研究体験から(宮川修一)
4.フィールドワーカーのための感染症対策―マラリア対策にみる自己防衛・社会防衛の考え方(三島伸介)
Column1 村に慣れた頃の危険―村人とともに食べるラオスの食(原田真里)
PartⅡ システムと実践のはざま
5.雪氷のフィールドワークにおけるリーダーの資質―何人かのリーダーの言動・挙動から考える(白岩孝行)
6.組織と個人の雪崩リスクマネジメント―雪崩調査チームのシステムと個人の習慣化(榊原健一)
7.海外フィールドワークへの支援体制と安全管理―ヒマラヤ山岳域調査の事例(小森次郎)
8.人類学会の安全教授と大学ガイドラインの間で(飯嶋秀治)
Column2 蛇に遭遇―ラオスの村人に助けられた経験(小久保美佳)
PartⅢ 実践 危険に遭遇したフィールド体験
9. フィールドにおける安全対策とその限界―バングラデシュ調査体験より(杉江あい)
10.フィールドで被災する―東日本大震災の経験から(横山貴史)
11.政変とフィールドワーク―東アフリカの事例から考える安全確保(松波康男)
12.紛争と日常―レバノンの人類学調査から(池田昭光)
Column3 ホテル・シャンハイ―南スーダンでインド人ホテルマンに守られた命(橋本栄莉)
編集後記 野中健一