2025/3/2(日)- 3/23(日) のあいだ、展示「レジリエント・ライフ(Tales after Forced Eviction: Home, Resilience, Return, and Reconstruction)」が東京工芸大学中野キャンパス6号館にて開催されます。

3月8日(土)と3月22日(土)にはトークイベントがあわせて開催されます。

本展示は、ケニアの首都ナイロビにある三大スラムのひとつ、ムクル・クワ・ンジェンガを舞台に、行政により家を強制撤去された住民が元の土地に戻り住居を再建する姿を記録するプロジェクトです。FENICS正会員の野口靖(メディアアート)、理事の椎野若菜(社会人類学)、これまでもメルマガにも寄稿してきた井本佐保里(建築学)の協働、そしてケニア人で日本をベースに研究活動を行なってきたキティンジ・キニュア(政治学)によって実現しました。

展示は、Materiality of LivesとRebuilding Home and Dignityの2つのプロジェクトで構成されており、住民のレジリエンスやクリエイティブ・リユースの精神を提示しつつ、土地利用、貧困、行政上の問題といった課題にも目を向けています。
人々の語りと記憶を秘めた現地のモノ、人々の創意工夫によるモノ、、現物を展示にてご覧ください。それらがまた、ビデオインタビューによって生きたものとして立ち現れます。

インフォーマル居住区に関する調査が「支援や援助」の視点で語られることが多い中で、住民自身による家の再建を通して「人と住まいと社会」の関係を多角的に考察できればと考えています。また、日本の震災復興や地域再生の課題とも共鳴する視点を提供し、持続可能な社会やグローバルな人権問題について再考する契機となることも期待しています。

 

 

会場へ:東京メトロ丸ノ内線・都営地下鉄大江戸線-中野坂上駅下車で徒歩約11分。 1番出口より山手通りを初台・大橋方向に進み、神田川の小さな橋を渡り、信号を渡った次の路地(石田洋紙店の手前を)右折

子どもも操作可能なタッチパネル。3Dのヴァーチャル世界で、現地にいる錯覚を味わえます。

少し上って、上からムクルスラムのトタン屋根の風景を感じることができます

現地の青年の部屋の再現、彼がつくったモノのこだわりが、現物とヴィデオ内の語りをあわせてみることができます。

■会期
展示期間:2025/3/2(日)- 3/23(日)  12:00〜18:00
休廊:月曜日 (3月10日は開催します)
入場料:無料
展示会場:東京工芸大学中野キャンパス6号館地下1階ギャラリー6B01 https://www.t-kougei.ac.jp/access/
(地下鉄/東京メトロ丸ノ内線・都営地下鉄大江戸線-中野坂上駅下車 徒歩約11分
1番出口より山手通りを初台・大橋方向に進み、橋を渡り横断歩道を渡ったあと(石田洋紙店の手前)を右折)
 
■プロジェクトチーム・メンバー Project Team Members
野口 靖(東京工芸大学インタラクティブメディア学科 教授)
椎野 若菜(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 准教授)
井本 佐保里(日本女子大学建築デザイン学科 准教授)
キティンジ・キニュア(上智大学アジア文化研究所 研究員)
 
■トークイベント(3/8と3/22は両日とも、ゲストとともにプロジェクト・メンバーが参加します。)
事前予約なし/入場無料
 
【1】2025/3/8(土)15:00~17:00
人と住まい:強制撤去からの再建
 
住まいは単なる物理的な空間ではなく、個人の尊厳やアイデンティティを育む重要な場だといえる。本トークでは、インフォーマル居住区住民が「再建した家」に焦点を当て、人と棲家の関係性を掘り下げる。人はどのように自らの居心地のいい場所をつくろうとし、また住まいがどのようにして人々の日常や心の拠り所を支え、文化や家族の絆を形作るかを考察する。
 
◆ゲスト: 西尾 美也(アーティスト 美術家 東京藝術大学美術学部先端芸術表現科)
 
【2】2025/3/22(土)15:00~17:00
住まいと都市政策:インフォーマル居住区が映し出す社会課題
 
インフォーマル居住区住民の住居再建のプロセスは、土地利用や再開発、住民の権利を巡る都市政策の課題を浮き彫りにする。本トークでは、強制撤去後の住民の再建を題材として、都市政策が抱える構造的な矛盾や社会的不平等について議論する。また、ムクルの事例を出発点に、日本の都市再開発や空き家問題など、現代都市が直面する課題との接点を探る。
 
◆ゲスト: 小野悠(都市工学 豊橋技術科学大学)
◆ゲスト: 溝口大助(文化人類学 東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター)
 
[主催]
東京工芸大学インタラクティブメディア学科野口研究室
[共催]
東京外国語大学フィールドサイエンスコモンズ(TUFiSCo)
日本女子大学建築デザイン学部建築デザイン学科井本研究室
[後援]
東京工芸大学
[協力]
アフリカンスクエアー
[会場]
東京工芸大学中野キャンパス6号館地下1階ギャラリー6B01

[お問い合わせ]
Email: noguchi45213_at_int.t-kougei.ac.jp
Phone: 03-5371-2728
 
本展示「レジリエント・ライフ:強制撤去からの帰還と再建」は、JSPS 挑戦的研究(萌芽) 19K21670「ケニアのスラムにおける映像民族誌及びデジタルアーカイブのメディアアート的拡張」の助成を受けた研究成果です。展示の実現にむけては、東京工芸大学 2024年度東京工芸大学工芸融合研究助成費の助成、また東京外国語大学フィールドサイエンスコモンズから援助をうけています 。